『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』のタイトル画像

『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』は、2024/5/21からSteamストアで配信が開始されている開発:Ninja Theory、パブリッシング:Xbox Game StudiosのPCゲーム作品で、10世紀のアイスランドを舞台に、神話と苦悩の世界を生き抜く主人公を描くストーリー主導型アクションアドベンチャーゲームタイトル。

最新ゲームとして最高峰の技術を惜しみなく注ぎ込んだ必見のゴージャスなゲームグラフィック、サードパーソンビューで主人公の背後から見ていく神話と苦悩が入り混じった世界、主人公の悪夢的な精神世界を具現化した恐怖感満点のゲーム内演出、ゲームで遊ぶ人を夢中にさせてくれる巧妙なストーリーテリング要素が大きな特徴の作品。

2017年に誕生し、世界中に多くのファンを生み出していった前作『Hellblade: Senua’s Sacrifice (ヘルブレイド:セヌアズ・サクリファイス)』をプレイしてファンになった人、ゲーム内のグラフィック描画がリアリティー満点な作品をプレイすることが好きな人、ミステリアスかつ不気味な世界観を持つゲームを求めている人におすすめの新作。

このゲームはココが魅力!
  • ファン待望の続編
  • UE5が描き出すグラフィック
  • 深淵な世界観と物語

待望の続編がSteamで好評配信中

現在PCゲームのポータルサイト「Steam」ストアで好評配信中の『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』は、2017年に発売され、その後世界中にファンを生み出していったアクションアドベンチャーゲーム『Hellblade: Senua’s Sacrifice (ヘルブレイド:セヌアズ・サクリファイス)』待望の続編となるおすすめの新作。

ゲームの舞台となるのは10世紀のアイスランドで、ヴァイキング文化や北欧神話にインスピレーションを得ながら開発が進められていった経緯を持つ。『アサシンクリード』シリーズでもヴァイキング時代をモチーフとするタイトル「ヴァルハラ」が発売されるなど、近年はヴァイキング時代を舞台とするゲーム作品が非常に多くなった印象だ。

待望の続編が好評配信中

プレイヤーは前作『Hellblade: Senua’s Sacrifice (ヘルブレイド:セヌアズ・サクリファイス)』でも主人公だった「セヌア」としてゲーム世界へと降り立ちながら、暴虐の恐怖の犠牲となった者たちを救うために「内なる闇」と「外なる闇」を克服する壮絶な戦いに向き合っていくことになる。前作をプレイ済の人には断然おすすめだぞ。

『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』の存在が明かされたのは、2019年の12月。その後作品の世界観を美麗なグラフィックで表現した各種のトレイラーが段階的に発表されていき、前作をプレイ済ファンからの期待を高めていった。Epic Gamesとデジタルキャラを共作することを発表したことも記憶に新しい。

開発は前作と同じNinja Theoryが担当

ゲームの開発を担当したのは、イギリスのケンブリッジに拠点を構えるスタジオNinja Theoryで、パブリッシングはXbox Game Studiosが担当。前作『Hellblade: Senua’s Sacrifice (ヘルブレイド:セヌアズ・サクリファイス)』は僅か15名の開発スタッフで生み出した作品だが、本作では開発チームの人数が順当に増加している点がポイントだ。

2000年に発足したNinja Theoryは、スタジオの目標として「大手パブリッシング向けのAAAタイトルを作成し、自らの地位を確立する」というものを掲げていたが、徐々にパブリッシャーの意向によって創作面と創造面が制限され、方針を「自らAAA級のタイトルをゲームシーンへ送り出す」という方向性へとシフトチェンジしてきた経緯を持つ。

開発スタジオと資金面で優位性を持つパブリッシャーとの関係性は非常にデリケートなもので、これは音楽業界におけるミュージシャンと出版社の関係性にも近い。開発者の独創的なアイデアが「商業性に関する危惧」によって却下されることも多く、本当にユニークなアイデアを掲げている人にとっては「厳しい試練」と言えるかもしれない。

Ninja Theoryは2018年にマイクロソフトに買収され、現在はその傘下となっているが、両者の関係性は今のところ良好なようで(真相は我々の見えないところにあるかもしれないが)、人間の精神へ深く切り込んでいった『Hellblade: Senua’s Sacrifice (ヘルブレイド:セヌアズ・サクリファイス)』の続編も無事に完成する運びとなった。

作品は記事執筆時点で3,192件に及ぶSteamユーザーレビューを獲得しており、その総評は「非常に好評」と、盤石なスタートを見せている。多くのユーザーを没頭させる最新鋭のゲームグラフィック、そして主人公であるセヌアが見る精神的な暗黒面のビジュアル演出効果が好評で、ゲームの表現基準を高みへと導く作品としての評価が多い。

ゲームの特徴

暴虐の恐怖の犠牲となった者たちを救うため、プレイヤーは主人公の「セヌア」を操作しながら、内なる闇と外なる闇を克服する戦いに向き合っていくことになる。10世紀頃を想定したヴァイキング文化のアイスランドで、神話と苦悩の世界を生き残る「過酷な旅」が展開していく点が作品の特徴で、重い精神病世界の描写も大きなポイントだ。

次世代のクオリティーを持つ3Dゲームグラフィックは本作最大の魅力であり、本物の人間が動いているような錯覚を覚えることもあるプレイシーンは驚異的な仕上がり。没入できる映像、美しいビジュアル、包みこまれるようなサウンドを通して語られる「精巧な体験」が魅力を放つ新作ゲームで、セヌアの「次章」を没入感満点に楽しめるぞ。

その中でも「ケルトの戦士として苛まれる幻覚の世界」を印象的な演出とグラフィック技術によって再現している点がポイントで、現実とも幻覚とも分からないような「シームレスな衝撃シーン」の数々を目撃していくことになるため、プレイ後の充足度も高くなるはず。圧倒されてしまう世界観でプレイヤーを包みこんでくれる必見の新作だ。

美麗なグラフィック

作品のシステム自体は前作『Hellblade: Senua’s Sacrifice (ヘルブレイド:セヌアズ・サクリファイス)』のコンセプトとゲームプレイ要素を素直に引き継いでいるため、前作をプレイ済のユーザーは違和感なくプレイを進められるはず。パズル要素やルーン文字要素などを扱いながらゲームを進めつつ、セヌアの精神状態にも踏み込んでいこう。

戦闘シーンと探索プレイの両方に影響を与える「ダイナミックな気象システム」と「リアルな物理法則」も作品の大きな特徴で、切り立った危険な地形などもプレイに影響するため、スリリングな体験を味わえること請け合い。精巧な3Dグラフィックによって再現された厳しい自然世界の「息吹」を感じながら、存分にゲームを遊び尽くそう。

バトルシステムに関しては前作から改良が加えられており、流動性と戦略性を重視した重々しい戦闘シーンを楽しめるようになった。時間減速要素も登場するバトルシーンでセヌアが素早い攻撃を繰り出すことも可能になっており、独自の戦闘スタイルを持つ敵キャラクターを分析しながら、上手く攻撃を組み立てるプレイに熱中できるだろう。

環境に統合されているパズル要素を頭脳プレイを用いて読み解いていくプレイシステムや、様々な収集品を獲得しながらストーリーを進めていく探索要素に関しては、単純に戦いを進めるだけのゲーム作品とは異なる「やり甲斐」を生み出すことに成功しており、謎解きと丹念な収集プレイがプレイヤーの好奇心を大いに掻き立ててくれるぞ。

その一方で完全なる自由が与えられるゲームとは全く異なる趣を持っているので、オープンワールドを自由に移動しながら自分が好きなことに熱中できるロールプレイングゲームのような感覚で購入すると、確実に肩透かしを食らってしまう結果になる。辿るべきゴールは一つであり、自由度を犠牲にして物語性を高めているPCゲーム作品だ。

前作『Hellblade: Senua’s Sacrifice (ヘルブレイド:セヌアズ・サクリファイス)』がUnreal Engine 4を用いて開発された作品であるのに対し、本作では最新系の「Unreal Engine 5」が用いられている点も高評価ポイント。この点はPCゲームバージョンと同時に配信されたXbox Series X|S版での大きな描画アドバンテージも生み出している。

なお、Steamストア内部に英文で表示されているが、本作には一部にゴア表現を含むかなり過激な殺人の表現があるため、プレイにはこれらの描写を予め許容できる人が求められる。またゲーム内で強い言葉遣いを聴くこともあり、決して「全年齢向け」のゲーム作品にはなっていない。暴力的な表現が苦手な人は、この点に注意しておこう。

『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』の注意事項

(Steamストアに掲載されているゲームに関する警告文)

Gameplay consists of realistic violent combat, and narrative scenes sometimes showing extreme gore. Enemies react realistically to wounds, and are dispatched with intense killing animations involving blood and vocalisations of pain.

Some strong language is used, and partial nudity can be seen during some sequences.

(上記英文の日本語翻訳)

ゲームプレイは現実的な暴力的な戦闘と、場合によっては極端なゴアを示す物語シーンで構成されます。敵は傷にリアルに反応し、血や痛みの声を伴う激しい殺人アニメーションで攻撃されます。強い言葉が使用されており、一部のシーンでは部分的なヌードが見られます。

日本語インターフェースをサポート

Steamストアでの販売価格は7,040円で、ゲームは標準で日本語インターフェースと字幕を完備(音声は英語のみ)。吹き替え音声が搭載されていない点は日本での販売数にある程度の制限を生み出す可能性もあるが、本作の世界観やシステムが好きな人は海外ゲームファンが多いと見込まれるため、実際にはあまり影響を与えることはないだろう。

ゲームはソロプレイ専用のタイトルであり、ローカルまたはオンラインでの協力プレイ要素には非対応となっている。操作に関してはキーボードとマウス以外に「Xboxコントローラー」でのプレイをフルサポートしているため、普段からゲームをコントローラーで遊ぶことが多い人でも安心して主人公「セヌア」の冒険を楽しめるはずだ。

解除できるSteam実績は合計で11種類とやや控えめ。決して安くはないフルプライスの販売価格を持つゲーム作品なので、やり込むプレイヤーが増えるようにもっと実績を搭載したほうが良いのではないかと思うのだが、実績コレクターの価値観と開発者の考えには相違がある可能性もあるため、この件については深く言及しないようにしておく。

Valveの携帯ゲーム機「Steam Deck」との互換性については、現時点でストアにその表記が存在しない。これほどまでのAAAタイトルにもなれば、発売当日に互換性の判定が下っていてもおかしくないものだが、後述するシステム要件の高さがネックになっている可能性はある。本作はとにかくハイスペックなゲーミングPC向けの新作ゲームだ。

システム要件

『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』のシステム要件はやや高め。推奨要件で提示されているグラフィックボードはNVIDIAのRTX 3080クラスもしくはAMDのRX 6800 XTクラスで、この2種類のパーツは現行から一世代前の「ミドルハイクラス」の位置に入るPCパーツとなる。参入の敷居はやや高めな印象だ。

グラフィックボードの最低要件はNVIDIAのGTX 1070もしくはAMDのRadeon RX 5700クラスのパーツとなっており、フルHDかつ画質を最低にしても、相応のゲーミングPCを持っていないと厳しい作品と言える。反対にハイエンドなゲーミングPCを持っているユーザーは、本作が持つ映像美のポテンシャルを大いに引き出せるだろう。

システム要件は高め

CPUの推奨要件はIntelのi7-10700KクラスもしくはAMDのRyzen 5 5600Xクラスとなっており、プロセッサーの面でも一定以上の敷居があるゲームと言えるかもれない。特に古いモデルのプロセッサーを現在でも利用し続けている人は注意が必要で、Valveが保証する最低動作OSがWindows 10になっていることも踏まえるべきだ。

インストールサイズは70GBと、PCゲームとしては重量級の部類に入る。リッチなゲームグラフィックが大きな特徴の作品なので、グラフィック面で多くのメモリを利用しているのだろう。普段ストレージが逼迫気味なユーザーは、本作をダウンロードする前に空き容量をチェックし、足りない場合には整理して容量を増やしておこう。

アイスランドを舞台に神話と苦悩の世界を生き抜く主人公を描くストーリー主導型アクションアドベンチャーゲーム『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』は、現在Steamストアで好評配信中。リアリティー満点のグラフィックに磨きがかかった必見の新作だ。今すぐSteamへアクセスして詳細をチェックしよう。

【おすすめポイント】待望の続編で遊べる!

プレイの流れ

ゲームのホーム画面からは「続ける」「チャプター」「設定」などの項目にアクセスできる。新規にプレイをスタートすると、本作が持っている壮絶な世界観とストーリー要素を体験できるオープニングムービーが流れ、プレイヤーのテンションを高めてくれるぞ。最高峰の3DCGツール「Unreal Engine 5」のポテンシャルを実感しよう。

凍えるような嵐に打ち付けられる主人公セヌアが、必死に地面にしがみつきながら移動するシーンから実際のプレイがスタート。アイスランドへ開発スタッフが赴き、取材を敢行した上で再現されている本作のワールドは非常に説得力のある仕上がりとなっており、Unreal Engine 5の描画力も相まってリアリティーもかなり高い。

主人公のセヌア

圧倒的なグラフィック描画は本シリーズ最大の特徴でもあるが、そのクオリティーは本作において「頂点」に達したと言えるだろう。最新のAAAゲームが追求している圧巻のグラフィック描画に対して大いなる興味を抱いているユーザーには断然おすすめの作品であり、重量級の3DCG描画が持つパワーと再現力に圧倒されていくはずだ。

このシーンではすでに主人公セヌアが負っている「精神病」の構図が出現し、どこからともなく聴こえてくる「声」がナレーション代わりになってプレイヤーに状況を伝えてくれる。大学教授や精神病を患っている患者への取材を行った成果として具現化されている重要な場面なので、しっかりと演出の隅々を見ながら没頭していこう。

リアリティーが向上した描画

主人公セヌアの背後にカメラが固定されているサードパーソンビューは、彼女の身体的な表現を余すところなく再現してプレイヤーに視覚的なインパクトを与えてくれる。モーションキャプチャーによって完成しているデジタルヒューマンは現実の人間と寸分違わぬ動きを行い、実写映画のワンシーンを見ているような気分になれるはずだ。

技術的な側面でプレイ画面を分析していくと、まず強風によってランダムにたなびいている衣装を描くクオリティーが驚異的。人間の髪に対して物理的な動作を加えることは現在どのゲーム作品でも上手くいっていない印象を受けるが、本作ではセヌアが髪を束ねている設定なので、この未到達な部分を上手く回避している印象だ。

移動シーンを見ていくと、セヌアが狭い岩場を通り抜ける際には独自のモーションが入り、そこでカメラも少しだけセヌアに寄っていく。この演出はリブートされた『トゥームレイダー』でも用いられており、シームレスに通常のモーションとは異なる動作が再現されている点で没入感を高める効果を持つ。抜かりのない演出が見事だ。

サードパーソンビューで遊ぶ作品

プレイヤーはある程度まで自由に主人公のセヌアを動かすことができるようになっているが、やはりオープンワールドを自由気ままに移動していく類のゲーム作品とは異なる路線を持つタイトルのため、「インタラクティブな要素を持つストーリー追従型のロールプレイングゲームムービー」作品という認識で遊んだほうがストレスがない。

バトルシーンのクオリティーは間違いなく前作を凌駕しており、ゲーム性よりもリアリティーに比重を置いた作り込みとモーションが冴えわたる。剣と剣でお互いの命をやり取りするシーンには良い意味で「緊張感」が生まれており、操作を行う手にも自ずと力がこもるはずだ。次世代型の描画と動きをたっぷりと体験していこう。

ただその反面、人物描写がリアルであればあるほどのジレンマ「大型の剣を振るったのに目に見える損傷が生まれない等」が生じている点には、年齢制限と表現の自由で板挟みになってしまった苦境を垣間見ることができる。過度なゴア表現にまで達するとセールスに響くため、スタジオに対してブレーキが掛かったと個人的には推測している。

視点がやや強制的に戻される場面があるなど、「開発者が意図しているように動いていく」システムに関しては、自由度を重んじるユーザーからは批判が上がることもあるだろう。本作を例えて言えば「誰かの夢の中に入り込み、多少は自分が自由にその人を操れる」という操作感覚であり、一本道的な側面は否定できない仕上がりだ。

したがって本作をおすすめできる人は、稀に見るハイクオリティーな次世代ゲームのグラフィック技術を体験したいと思っている人、そしてあまり自由が効かない一本道プレイを許容できる人、ということになる。壮大な技術デモを見ている感覚にも陥ることがあるので、主体的な操作を求める人には不向きな新作ゲームと言えるだろう。

【おすすめポイント】セヌアの人生を体験!

総評:続編の悲劇を超えられるか

『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』は、実は数奇な成り立ちによって完成しているゲーム作品。2017年に『Hellblade: Senua’s Sacrifice (ヘルブレイド:セヌアズ・サクリファイス)』が発表後、2018年に開発スタジオのNinja Theoryはマイクロソフトに買収され、Xbox Game Studiosの子会社になった。

大手の企業が有望なインディーゲームデベロッパーを買収する向きは世界で活発に起こっている現象ではあるが、前述したように大手傘下になったことでインディーゲームとしての自由な発想が時に奪われることもあるため、真摯なゲームファンにとっては不安要素のほうが大きい。潤沢な資金源を確保する代わりに、自由が無くなった格好だ。

ゲームにおける表現の自由や画期的なアイデアは昨今インディーゲームデベロッパーの独壇場であり、そこにゲーム文化を繋いでいくための大きな遺産が生まれている。大手パブリッシャーは開発資金を売上が上回ることにのみ注力するため、繊細な開発者のアイデアや希望は優先事項の遥か後方へと置き去りにされていくことも数多い。

人気ゲームの続編

これほどまでに辛辣な言葉を並べているのは、エンターテインメント産業の各分野において大手企業の買収が良からぬ結果を出し続けている事例に事欠かないため。以前も別のタイトルの記事内において、続編がいかに「鬼門」とされているのかを書き連ねたことがあるが、大概「続編」は初期の構想を維持できずに失敗する傾向がある。

筆者自身、大金と引き換えに自らのアイデンティティーを放棄した「悪魔に魂を売る」会社を見てきた経験がある。エンターテインメント産業を支えているのは間違いなく「エンドユーザー」であり、彼らの支えを顧みずに安易な条件で自らの立場を変えてしまうことは、自分で自分の首をゆっくりと絞めていくことと何ら変わりはない。

ここで誤解してほしくないのは、本稿で『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』の立場を貶めたり、糾弾する意図は全くないという点。しかしながら独創的であり独自にAAAタイトルを生み出せるパワーを持っていたNinja Theoryがマイクロソフトに買収されたのは事実であり、そこに筆者は寂しさを感じる。

パワーゲームで大企業が成長を遂げていき、その過程で様々な小企業が犠牲になることは「資本主義」の悲しき宿命であり、ゲーム文化を大切に育んていく意図や要素は介在しない。それは十分に承知しているつもりなのだが、昨今様々な分野で業界がシュリンクしていく構図を見ていると、一種の「虚しさ」を感じずにはいられないのだ。

Unreal Engine 5で開発

話を『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』に戻そう。本作の構想が生まれたのは、「Ninja Theory」の共同設立者兼クリエイティブ・ディレクターであるタミーム・アントニアデス氏が休暇を取り、アイスランドへと旅行に出かけた際と言われている。氏はこの地で本作の構想を思いついたようだ。

しかしその直後にタミーム・アントニアデス氏はスタジオを去ることになり、その構想は残されたスタッフの手によって具現化していくことになる。Xbox Game Studios傘下となり、従業員数も劇的に増加した「Ninja Theory」だが、本作の開発作業が肝心要のクリエイティブ・ディレクター抜きで進められたという経緯は物悲しい。

本作を完成へと導くことになった他スタッフの技量を疑うわけではないが、当初構想を持っていた人物が最後まで本作の制作に携わっていたとしたら、果たして本作は同じような内容のゲームになったのだろうか、という「取り返しがつかない疑問」も頭の中をよぎる。ゲームとして完成はしたが、果たしてその本質は如何に、というジレンマだ。

ゲーム内のワンシーン

『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』が続編としてプレイヤーを満足させてくれるゲームであるかどうかは、実際にゲームに触れたユーザーが判断を下す部分であり、そこに異論の余地はない。ただし前述のような経過を経て誕生したタイトルのため、事情を知るほど素直に喜べない面があるのは確かだ。

開発面での苦労として、セヌアが抱える精神病の世界を正確に再現するため、実際に大学教授や精神病を患っている人たちに取材を敢行しているなど、ゲーム制作者の苦労と努力が存在する。またゲームのアニメーターがモーション研究のために軍事訓練を受けているなど、決して妥協された続編ゲームではないことは間違いない。

もしマイクロソフトによるスタジオ買収がなかったら、もしタミーム・アントニアデス氏がスタジオを去らなかったら、と考えると、上記の「資金を潤沢に注ぎ込んだ開発姿勢」に対する驚きと賞賛もやや半減してしまう。続編の面白さを決めるのは資金ではなく「アイデア」で、そこに共感するユーザーが多いほど求心力も生まれる。

以上の考察は筆者の主観であり、これが正解であるというつもりは毛頭ない。大手企業に買収されなくても、また主要なメンバーが去らなくても、本作は同じ内容とシステムを持ったゲームになった可能性も大いにある。繰り返しになるがゲームを評価するのは実際にプレイして遊んだユーザーであり、その意見が今後を占うことになるだろう。

続編の悲劇はこれまでの歴史で数多く繰り返されてきた「事実」。『Senua’s Saga: Hellblade II (セヌアズ・サーガ:ヘルブレイド2)』にはどのような審判が下っていくのかは、これからの売上や世界的なユーザー評価の総合点を見ないといけない。望まれた続編であることは確実ではあるが、その評価は時間の流れが教えてくれるだろう。

【おすすめポイント】気になる人は今すぐチェック!

Senua’s Saga: Hellblade IIスペック/動作環境

動作環境 必須環境 推奨環境
対応OS Windows 10/11 64 Bit
CPU Intel i5-8400 | AMD Ryzen 5 2600
メモリー 16GB
グラフィックカード Nvidia GTX 1070 | AMD RX 5700 | Intel Arc A580
VRAM
HDD空き容量 70GB
DirectX
回線速度

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