2021/109からSTEAMで正式配信されているZangGamesの購入型PCゲーム。マッドサイエンティストの実験によって広がってしまったゾンビウィルスの脅威を取り除くために戦うホラーアクション。
ゾンビ化した生物が徘徊するポストアポカリプスな世界で特殊なスーツを着用しながらバトルを繰り広げていくSF×ゾンビゲーム要素、シングルプレイ以外にオンラインで協力プレイを楽しめるゲームモードの存在、白兵戦以外にビークルに乗り込んで戦えるシステムが魅力で、ゾンビゲームが好きな人におすすめ!
ゾンビウイルスの脅威を阻止せよ!
現在PCゲームのポータルサイト「STEAM」で配信中の『Zombie Hazard』は、秘密裏に行われていたウイルスの実験が失敗した世界で、ゾンビウイルスの蔓延を防ぐための兵士として行動していく新作ホラーアクションゲーム。助けの手が差し伸べられるまで過酷な現場で戦いを続けていく世界観が光る作品だ。
科学者たちが認知症を患っていたために漏洩してしまったゾンビウイルスという設定が面白く、それと気付かずに研究を重ねていたというブラックユーモアも秀逸。人間への投与試験を目前に漏洩してしまったウイルスは瞬く間に研究施設内部を汚染し、警備員や科学者などの多くがゾンビ化してしまっている。
▲ゾンビウイルスのバイオハザードを最小限に食い止めるための戦いが展開する新作PCゲームだ。
プレイヤーが操作するのは政府によって派遣されたエリートソルジャーで、彼らは最新のスーツに身を包んでいる。目的は汚染されてしまった研究施設内部へ突入し、迫り来る脅威を排除しながらウイルスの封じ込めを行うこと。ウイルスに対する有効な解決策がもたらされるまで、現場を保守することが任務だ。
ゲームでは感染してゾンビ化した敵キャラクターが無数に登場し、プレイヤーはウェーブ形式で発生する攻撃に立ち向かいながら施設を探索していくことになる。キャラクターを背後から見る三人称視点でプレイが展開し、予断を許さない状況下でのバトルを臨場感満点に味わえる。アクションシューティング要素満点だ。
キャラクターアップグレード要素もアリ
プレイ中にはアップグレード用のアイテム「マナ」を獲得することで着用しているスーツの性能がアップし、プレイを有利に進められる能力を獲得できる仕組み。瞬時の判断で射撃を行いながらキャラのアップグレードも目指していくスリリングなプレイが特徴で、キャラビルドも楽しめる点が大きな魅力となっている。
ゲームを開発・運営しているのは、新興インディーゲームデベロッパーの「ZangGames」。本作が初のSTEAM掲載作品となるデベロッパーで、今後のアップデートや新作の開発にも期待の新人だ。ゾンビゲームの世界とキャラのスーツに代表されるSF的な世界観を結び付けたセンスが冴えるデベロッパーと言えるだろう。
▲プレイ中には攻撃型のビークルで移動する場面も。ゾンビウイルス拡散を阻止する戦いが各所で展開。
ゲームはソロプレイ以外に、プレイヤー同士の協力要素を体験できるマルチプレイモードにも対応し、一緒にゾンビウイルス蔓延を阻止する危険な任務を遂行できるようになっている。倒れた仲間プレイヤーを蘇生する仕組みもあるので、プレイを通じてPCユーザー同士の友情も育める新作ホラーアクションゲームだ。
STEAMでの販売価格は520円と安価。ワンコイン価格でゲットできるインディーゲームで遊ぶことが好きな人にもオススメの作品となっている。ただし、本作は現段階でプレイアブルな状態にはなっておらず、デベロッパーの「ZangGames」からも注意喚起されているため、購入するのは問題が解決してからの方が良い。
インターフェースは英語一択となり、残念ながら日本語インターフェース及び字幕・音声には非対応。ただし内容は単純明快なアクションシューティングゲームとなっているので、基礎的な英語読解力を持っていれば十分にプレイできる。コントローラーサポートはなく、プレイにはマウスとキーボードを用いる形式だ。
【おすすめポイント】 ゾンビ×SFの新作ゲーム!
Unreal Engine 4で開発された新作
『Zombie Hazard』の開発には、世界的に有名なゲームエンジン「Unreal Engine 4」が用いられている。3DCGの質感表現と描写に優れた同エンジンによって最新ゲームらしいリアルなグラフィックを獲得している新作PCゲームで、さらにEpic Games謹製のアセットも活用しているため、描画面は最高だ。
STEAMの界隈ではアセットを使用しているゲーム作品に対して風当たりが強い傾向があるが、本来モデリング作業が苦手な人も活用できるように配布されている便利なアセットは、商業利用を許可されている限りにおいて流用することは違法ではなく、アセットの作者も作品によって名前が知れ渡るので全く問題はない。
本作の場合は堂々と予告動画内で「Epic Gamesのアセットを使用」と明言しており、包み隠さずに吐露している点に好感が持てる。配布されているアセットはご承知の通り3DCG内で完璧に動作するように仕上げられているため、テクスチャー指定などのミスが発生するリスクが抑えられ、信頼性も非常に高い。
▲適切な設計がなされているアセットを利用することで高度なグラフィックを実現した新作ゲームだ。
オリジナリティーの欠如という面では負の部分もあるが、あらかじめ用意されたモデルをゲーム内に組み込み、その外見に合った世界観を構築した腕前は見事。キャラクターのアセットは汎用的な目的でデザインされているが、本作ではウイルス汚染に対抗するスーツを着用した兵士に見えるから不思議だ。
『Zombie Hazard』は、キャラクターやオブジェクトを生み出すアーティストがいない状態でも、3DCG界に多数存在しているアセットを組み合わせることでゲームは作成できる、ということを実証している新作ゲームで、開発に携わる人数が少ないインディーゲームの効果的な製作手段として今後も活用されることだろう。
無論オリジナル要素があるほど評価も高くなるのがゲームの世界なので、自社あるいは自分でモデリングを行うことは非常に大切。ただしそれらの能力に限界を感じている場合には、プロの人たちが用意したアセットを活用させてもらうという手もある。本作はそんなことを切に感じさせてくれる新作ゲームだ。
【おすすめポイント】 ゲーム開発を目指す人も必見!
アップデート後の購入を推奨!
前述の通り、『Zombie Hazard』は現時点でプレイアブルな状態ではなく、STEAMストアのコメント欄ではゲームを購入したユーザーからの低評価が相次いでいる。これを受けて開発元のZangGamesは製品紹介文のトップに謝罪文を掲載しており、アップグレードするまで購入を控えてほしい旨が告げられている。
本来正式配信バージョンでゲームがまともに動作しないことは許されることではないが、多彩な組み合わせが存在するPC全てで動作を検証することは難しく、今回のケースもそんな事例に該当するものと思われる。ZangGamesの説明によると彼らは現在「オフライン」状態にあり、システムが復旧次第問題の解決に乗り出すそうだ。
▲初の商業ゲーム作品がスタート時からトラブルに見舞われているが、何とか名誉挽回してもらいたいところだ。
したがって本作は現段階で購入するべきではなく、もし購入しても遊べない状態の場合には、STEAMが返金を受け付けている期間に申し出た方が良い。ZangGamesがストアページにアップデート情報と問題の解決を掲載した場合には、作品はプレイできる状態にあると判断できるので、その時点で手に入れるか考えよう。
【おすすめポイント】 今後の改善が待たれる新作!
Zombie Hazardスペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 10(64bit) | Windows 10(64bit) |
CPU | Intel Core i5-4460 または AMD FX-6300 | Intel Core i7-4770K または AMD Ryzen 5 1600 |
メモリー | 8GB RAM | 16GB RAM |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 960 または AMD Radeon R7 370 | NVIDIA GeForce GTX 1070 または AMD Radeon RX 580 |
VRAM | 2GB | 8GB |
HDD空き容量 | 50GB | 50GB |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 12 |
備考 |
(C) ZangGames.
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