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『レインボーシックス ベガス』は、ユービーアイソフトが2006年にXbox 360向けに発売した特殊部隊系FPSで、プレイヤーは多国籍対テロ部隊レインボーのアルファ分隊長ローガン・ケラーとなり、大規模テロに占拠されたラスベガスを舞台に、2人の仲間と共にテロリストの殲滅に挑む。

トム・クランシー原作シリーズの流れを汲みつつも、本作は従来の硬派なタクティカルシューターから大きく方向転換し、カバーアクションを中心としたよりカジュアル寄りのプレイ感覚に仕上がっている。

総合的な評価としては、発売当時Xbox 360のFPSとして最高峰と評されたタイトルであり、Metacriticスコアでも高い数字を記録。最大の功績は、FPSにカバーシステムを本格導入し、同時期に登場した『ギアーズ・オブ・ウォー』と並んでカバーアクションの基準を打ち立てた点である。シングルプレイ・マルチプレイの両面で高い完成度を持ち、特にテロリストハントモードはシリーズ屈指の中毒性を誇る。

一方で、旧作ファンからは戦術性の簡略化を惜しむ声もあり、『SWAT4』のようなリアル志向のタクティカルシューターとは明確に異なる方向性であることは理解しておきたい。カジュアルなアクションシューターとしての爽快さと、特殊部隊ならではの緊張感を両立させた、シリーズの転換点となった一本である。

ラスベガスを舞台にしたステージ演出と音響

タイトルにベガスを冠する通り、本作の舞台設定は当時のシューターとしては異色であった。ネオンが煌めくストリップ通り、豪華なカジノのフロア、高級ホテルの内部といった華やかなロケーションが次々と展開され、従来のレインボーシックスシリーズにあった地味で硬質な雰囲気から一変している。

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Unreal Engine 3による当時最先端のグラフィックスで描かれたラスベガスは、戦場としての緊張感と観光地としての煌びやかさが同居する独特の空気感を生み出しており、スロットマシンの上に伏せて銃撃戦を繰り広げるような場面は本作ならではの体験である。冒頭はメキシコの国境の町からスタートするため最初はやや地味な印象を受けるが、ベガスに到着してからはステージの華やかさが一気に増す構成になっている。

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音響面も高い評価を受けている要素の一つである。BGMは状況に応じて動的に変化し、潜入中は抑えたトーンで緊張感を煽り、戦闘に突入すると一気にテンポが上がって臨場感を高める設計になっている。この演出は非常に自然で、意識せずとも没入感を底上げしてくれる。銃声や着弾音、ガラスの破砕音といったSEのクオリティも優秀で、銃弾が異なる素材に当たった際の音の違いは細部まで作り込まれている。

ステージ構成としてはリニア進行が基本だが、突入経路が複数用意されている場面も多く、ラペリングやファストロープで窓から突入するといった映画的なアクションも挿入される。ただし、レベルデザイン全体としては「部屋に入り、敵を排除し、次の部屋へ進む」というパターンの繰り返しが基本であり、終盤に向けてマンネリを感じる可能性はある。『スプリンターセル』シリーズのようなルート選択の幅広さは期待しないほうがよいだろう。

カバーシステムと戦術射撃の完成度

本作最大の特徴は、FPSとしては先駆的なカバーシステムの導入である。ボタン一つで壁やオブジェクトに張り付き、三人称視点に切り替わる仕組みで、遮蔽物越しに敵の位置を確認しながらブラインドファイアで牽制したり、身を乗り出して精密射撃を行ったりと、状況に応じた戦い方が求められる。

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このシステムはシリーズの伝統であった一人称視点でのリーン操作を置き換えたものであり、直感的な操作性と視覚的なわかりやすさでは大きく向上している。『ギアーズ・オブ・ウォー』のカバーシステムと比較されることが多いが、開発時期が重なっていたため独立した進化と見るのが妥当であり、どちらが先というよりもこの時代のシューター全体がカバーアクションへと成熟した結果である。

戦闘の手触りとしては、プレイヤーも敵も被弾に対して非常に脆く、無防備に突っ込めば一瞬で倒される。体力は自動回復式だが、回復までの猶予が短く、常に遮蔽物を確保しながら慎重に前進する立ち回りが必要になる。難易度をリアリスティックに設定すると被弾許容量がさらに下がり、旧作に近い緊張感のあるプレイが楽しめる。

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2人の仲間に対してはスタックや突入の指示が可能で、スネークカムでドア越しに敵の位置を確認してからフラッシュバン突入を命じるといった連携は、本作のプレイ体験で最も「特殊部隊らしさ」を感じる瞬間である。

ただし、仲間のAIが判断ミスで無謀な行動を取ることもあり、蘇生のために自分が危険にさらされる場面が頻繁に発生する点はストレスになりやすい。武器のバリエーションは豊富で、サプレッサーやスコープなどのアタッチメント変更にも対応しており、銃声や着弾音のリアルさは今プレイしても高い水準にあると感じられる。

マルチプレイとCo-opの魅力

『レインボーシックス ベガス』のマルチプレイは、発売当時のXbox 360タイトルの中でも最も充実した部類に入る構成であった。最大16人で対戦可能な競技モードに加え、キャンペーンの4人Co-op、そしてシリーズの伝統であるテロリストハントモードが揃っている。

対戦モードにはデスマッチ系のほか、VIPを護衛する暗殺モードや拠点制圧モードなど、戦術シューターらしいルールが複数用意されており、カバーシステムがそのまま対人戦でも機能するため、一般的なFPSとは異なるテンポの読み合いが生まれる。『コール オブ デューティ』や『バトルフィールド』のような大規模戦闘とは対照的に、少人数での緊迫感のある撃ち合いが本作のマルチプレイの持ち味である。

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中でもテロリストハントは、本作の寿命を大きく延ばしたモードといえる。マップ上に配置された数十人のテロリストを仲間と協力して殲滅していく内容で、ウェーブ形式ではなく最初から敵が配置されている形式のため、一人ひとりを慎重に排除していくプレイ感覚は本編以上の緊張感がある。リアリスティック難易度では一撃死が頻発するため、味方との連携が生存に直結し、全員で完全クリアを達成した際の達成感はかなりのものである。

ただし、キャンペーンCo-opではカットシーンが省略されミッション単位の選択式となるため、ストーリーを通して体験したいプレイヤーにとっては没入感がやや損なわれる構成になっている。この点は続編の『レインボーシックス ベガス2』でシームレスなCo-op体験に改善されたが、Co-op人数は2人に制限された。どちらも一長一短であり、大人数で遊ぶなら本作、ストーリー体験を重視するなら続編という棲み分けになる。

ストーリー・AI・技術面の評価

ストーリーはシリーズとしては比較的わかりやすい構成で、テロリストのイレーナ・モラレスがラスベガスを攻撃し、レインボー部隊が鎮圧に乗り出すという王道の展開である。主人公ローガン・ケラーと仲間たちにはそれぞれ個性が与えられており、過去作と比べてキャラクター描写が強化されている。

映画的な演出を意識した作りで、アクション映画の主人公を操作しているような感覚は悪くない。ただし、物語そのものに大きなサプライズはなく、トム・クランシー作品らしい政治的な深みも薄い。ストーリーを重視するプレイヤーよりも、ゲームプレイそのものを楽しむプレイヤー向けの作品である。

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敵AIは概ね良好で、遮蔽物を活用した立ち回りやグレネードによる牽制など、戦術的な行動を取ってくる。プレイヤーの側面を突こうとする動きも見られ、カバーに隠れているだけでは安全ではない状況が頻繁に発生する。一方で、味方AIには前述の通り突発的な行動の問題があり、指示なしで前に出て倒されるケースが散見される。技術面では、Unreal Engine 3を採用した映像は発売当時としてはトップクラスであったが、テクスチャの読み込みに遅延が発生する場面がある点は気になるところである。

特にPC版はコンソール版からの移植が主体であり、グラフィック設定の自由度が限られているほか、操作周りの最適化にも粗さが残る。PS3版もXbox 360版と比較してパフォーマンスがやや劣るとされており、プラットフォーム選びは当時の環境では重要な要素であった。現在はXbox Series X/Sの後方互換で動作するため、旧作をプレイする環境としてはそちらが最も安定している。UIは必要最低限の構成で、武器選択やチーム指示が直感的に行える点は評価できるが、全体的にメニュー周りのデザインはやや簡素である。

こんな人におすすめ

『レインボーシックス ベガス』は、カバーアクションを活用した戦術的なFPSを楽しみたいプレイヤーに強くおすすめできるタイトルである。シリーズ後継作の『レインボーシックス シージ』がマルチプレイ特化に振り切った作品であるのに対し、本作はシングルプレイのキャンペーンとCo-op、対戦モードがバランスよく揃っており、一人でもフレンドとでも楽しめる構成になっている。テロリストハントモードが特に秀逸で、友人と協力して高難易度に挑む体験は今遊んでも十分に面白い。

続編の『レインボーシックス ベガス2』と合わせてプレイするとストーリーが補完される構成のため、可能であればセットで遊ぶことを推奨する。価格も現在は非常に手頃であり、タクティカルシューターの歴史を体験する意味でもプレイする価値のある一本である。

レインボーシックスベガススペック/動作環境

動作環境 必須環境 推奨環境
対応OS Windows XP/Windows Vista(32bit) Windows XP/Windows Vista(64bit)
CPU Intel Pentium 4 3.0GHz または AMD Athlon 3000+ Intel Core 2 Duo または AMD Athlon 64 X2 5200+
メモリー 1GB 2GB
グラフィックカード NVIDIA GeForce 6600 または ATI Radeon X1600 NVIDIA GeForce 7600 または ATI Radeon X1800
VRAM 128MB 256MB
HDD空き容量 7GB 7GB
DirectX DirectX 9.0c DirectX 9.0c
備考

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