【2023最新】PCゲームを遊べるおすすめのポータブルゲーミングPC5選!

ZOOM編集部

PCゲームを好きな場所へ持ち出してプレイすることを可能にしてくれる「ポータブルゲーミングPC」の世界は、内蔵するプロセッサーの進化に伴ってにわかに活気を帯びてきている。今回はガジェット愛を持つPCゲーマー注目の新製品5モデルをご紹介しているので、ぜひポータブルゲーミングPC選びの参考にしてほしい。

開発競争が加速するポータブルゲーミングPC

Nintendo Switchのように「携帯ゲーム機」として扱える点が特徴のポータブルゲーミングPCは、同じく携帯型のパソコンとして開発されたノートPCに比べ、大幅な重量軽減と携帯性を実現している点が特徴。本体とコントローラーが一体化したデザインが魅力で、中にはコントローラーを分離できるモデルもある。

ポータブルゲーミングPC開発の中心になっているのはアメリカと中国、台湾の企業やメーカーで、クラウドファンディングで開発資金を募って開発されたモデルも存在。一部例外もあるが、基本的に「Windows OS」を実装しており、ゲームをしていない間は普通にパソコンとして利用できる点に存在価値がある。

開発競争が加速しているポータブルゲーミングPC▲プレイ環境に縛られることなく、好きな場所でPCゲームを楽しめる点が魅力だ。

「UMPC (Ultra-Mobile Personal Computer)」という略称で呼ばれることもあるポータブルゲーミングPCは、ここ数年で加速したプロセッサーの性能進化で強力なグラフィック描画をこなせるようになっており、当初は一部のニッチな需要を満たす製品として見られていたが、現在ではその様相も大きく様変わりしている。

ポータブルゲーミングPC選びの注意点

現在各メーカーがこぞって新製品を発表しているポータブルゲーミングPCを選ぶ際には、真っ先に使われているプロセッサーに注目すべき。ここがゲームプレイ品質に大きく関わる部分で、性能が低いプロセッサーを搭載したモデルを選んでしまうと、自作PCとは異なりパーツ交換が困難なため、後悔することになる。

次に注目すべき点はディスプレイサイズ。コントローラーが一体となっているポータブルゲーミングPCは、主に6インチから8インチ程度のディスプレイを持っており、お世辞にも大画面とは言えない。ちなみにAppleのiPhone 14は画面サイズが6.1インチで、iPad mini(第6世代)の画面サイズは8.3インチだ。

6インチディスプレイを持つポータブルゲーミングPC▲6インチのディスプレイを持つポータブルゲーミングPCのサイズ感はこんな感じ。

画面に高精細さを求めたい場合には、ディスプレイの「解像度」にも注目したいところ。現行のポータブルゲーミングPCは主にフルHDから2K解像度で展開中となっているので、基本的な画面表示に不満はないはず。ただしゲームをプレイする場合にはネイティブ解像度よりも下げて遊ぶことが主流になるため、注意しよう。

実際にゲームをプレイする際には画質設定が必須

ゲームをプレイする際に解像度設定を下げなくてはいけない要因に「バッテリー持ち」の問題がある。各社が展開しているモデルは2時間以上連続してゲームをプレイできるだけのバッテリー容量を誇るが、それを実現するためには低電圧かつ低解像度に設定する必要もあり、またタイトルによって電力消費量も変化する。

自作PC業界では現在ポータブルゲーミングPCと同じくらいの大きさを持つグラフィックボードが主流で、それらのハイエンドモデルは4K解像度で60fps以上を叩き出す性能を持っているが、裏を返せばこのサイズでないと真に美しいプレイ画面が生み出せないということで、それをポータブルゲーミングPCに求めるのは酷だ。

バッテリー面に懸念があるポータブルゲーミングPC▲ポータブルゲーミングPCで遊ぶ際にはゲームの画質設定が重要なポイントになる。

とは言うものの、これらの設定にさえ注意すれば、現在出回っているほぼ全てのPCゲームタイトルを手元で遊べるという利便性の高さは何物にも変え難く、さらに携帯ゲーム機特有の「所有感・満足感」も大きい。ストレージサイズに最大2TBを用意しているモデルもあり、立派な小型PCとして機能してくれる。

拡張機能を利用すれば使い方も大きく広がる

外部デバイスとの接続も注目ポイント。モデルによっては別途eGPU(外部グラフィックス機能)を接続して描画機能を大幅にパワーアップできるため、グラフィックボードを単体で持っている自作PCユーザーは、別に用意した大型ディスプレイにeGPU経由で画面出力を行うという使い方も可能。拡張性にも注意しよう。

またモデルによってはコントローラーを本体から分離し、タッチディスプレイ機能を用いてタブレットのように使うことができるので、用途に応じて形状を変化できるかも注目ポイントになってくると言える。今後のポータブルゲーミングPCは、これらの「付加価値」の部分でも開発競争が加速していきそうだ。

コントローラーを分離できるモデルもあるポータブルゲーミングPC▲コントローラーを分離できるポータブルゲーミングPCも存在する。

現状ネックとなっているのは約10万円〜20万円になる価格帯だが、「Windows OSを搭載した小型パソコン」として考えるのであれば、あながち高価な部類に入る製品とは言えない。つまりユーザーが普段どのような利用スタイルで接していくかが、ポータブルゲーミングPCの価値を決める重要なポイントになるだろう。

今回ご紹介しているポータブルゲーミングPCは、いずれも執筆時の最新モデルで、AAAタイトルも実行できる強力なプロセッサーを実装している。簡単に持ち運べるサイズのゲーミングPCに興味を抱いている人は、各社が送る最新モデルをチェックして、自分にハマるカッコ良い製品を見つけ出してほしい。

2023年最新おすすめポータブルゲーミングPC5選

1.「GPD WIN 4」 (参考価格 140,000〜193,000円)

中国企業Shenzhen GPD Technologyが展開しているポータブルゲーミングPC。液晶画面をスライドするとメカニカルキーボードが出現する構造は前モデル「GPD WIN 3」と同じで、プロセッサーがIntelからAMDに変更されている点が大きな違い。本体重量は約598グラムで、解像度は1980×1080ピクセルとなっている。

ポータブルゲーミングPC「GPD WIN 4」▲カラーは「ピュアホワイト」と「マットブラック」の2色展開だ。

本作で採用されているプロセッサー「Ryzen™ 7 6800U」は、Zen3アーキテクチャーの6nmプロセスで製造されたAPUで、8コア16スレッドで最大ターボ周波数は4.7GHz。前世代と比較すると1.3倍の性能アップを実現しており、AAAクラスのゲームを快適にプレイできる。メインメモリは16GBと32GBの2択だ。

グラフィック面を司る「Radeon 680 M」グラフィックスは、12個のコンピュートユニットと768個のストリームプロセッサーを搭載し、前世代から約2倍の表示パフォーマンスを実現。フレームレートを向上させるAMDの技術FSRとアップスケール機能RSRも利用できる上、レイトレーシングにも対応している。

最大2TBのストレージ容量を持つモデルも存在

ストレージに採用されているのはM.2 NVMe 2280 SSDで、マットブラックは1TBと2TBの選択肢が、ピュアホワイトには512GBと1TB、2TBの選択肢がある。公式サイトで最も安価なのはピュアホワイトモデル(16GB/512GB)の14万円で、両カラーで共通する最大容量32GB/2TBになると193,000円となる。

拡張機能もある「GPD WIN 4」▲別売でクレードルも販売中(左側:9600円)。充電やハブ機能で活躍してくれるパーツだ。

パスワード入力の手間を大幅に軽減してくれる「指紋認証」のロック解除機構が魅力で、前モデル「GPD WIN 3」から大型化を果たしたPCグレードの大型ファンによって高い冷却性も確保。1.5倍のサイズになったヒートパイプは熱伝導率を50%増加しており、放熱効率も35%向上している。確かな進化がある製品だ。

本体両端が丸みを帯びた形状をしている点が快適なプレイ体験を実現するが、唯一ネックとなるのが6インチIPS液晶の画面サイズで、解像度に問題はないものの、このプレイ画面をどの距離で見るかでプレイの快適さが変わってくる。特にテキストを多く見ることになるゲームタイトルでは注意が必要と言えるだろう。

製品にはmicroSDカードスロットがあり、Windows 11 Home (64bit)を標準搭載。ゲームパッドをマウスモードに切り替えることでWindowsの操作に活用することもできる。バッテリーの連続動作時間は2時間から最大10時間で、振動機能があるダブルバイブレーションモーターも完備。製品保証は1年間だ。

2.「AYANEO AIR Plus」 (販売価格132,000円〜191,400円)

2023/6/17に発売が予定されているAYANEOブランドのポータブルゲーミングPCで、GPD WIN 4と同じAMDのAPU「Ryzen™ 7 6800U」を搭載する軽量モデルの最新バージョン。本体重量は約525グラムで、これはGPD WIN 4と比較して73グラム軽い計算になる。手に負担をかけたくない人向けのモデルだ。

ポータブルゲーミングPC「AYANEO AIR Plus」▲本体重量がとても軽く、長時間のプレイでも手に負担がかかりにくい。

6インチスクリーンで解像度が1980×1080なのはGPD WIN 4と同じ。コントラスト比は1000:1で、本体カラーは「グレイシャーブルー」「スターライトブラック」「クラシックグレー」の3色展開。レトロゲームから最新ゲームまでこよなく愛するCEOの会社が生み出す機体らしいカラーリングも大きな魅力となっている。

46.2Whの大容量バッテリーを搭載している本機は、TDP15W時に連続2時間のプレイ時間を実現。急速充電にも対応しており、持ち運びながら快適に様々なゲームタイトルをプレイできる製品となっている。デッドゾーンがなく、ドリフトしにくいジョイスティックも特徴で、コントロールの精度が上がっている点も魅力だ。

「AYANEO AIR Plus」のクラシックグレー▲日本の正規販売代理店は株式会社ハイビーム。国内1年保証と初期不良対応も魅力。

本体は滑らかなデザイン。汚れや傷、指紋に強い材質を採用しており、持ち運びと長時間のゲームプレイに耐える。ミニジョイスティックにはRGBライティングエフェクトが搭載され、バッテリー残量が少なくなるとライトの光り方が変わるため、充電する機会を見逃さない点もポイント。ゲーマー向けの設計が光る。

セミオート・バースト、フルオート・バーストをサポートするボタンバースト機能や、ゲームボタンが対応しない問題を解消してくれるキースワップシステム、異なる感度を調整可能なジョイスティックはアクションFPSなどのジャンルに向いており、コントロールで大きな満足感を与えてくれる。指紋認証機能もあるぞ。

大容量の高速ストレージを実装

ストレージにはM.2 2280 SSDを内蔵し、最大2TBをサポート。またWi-Fi 6ネットワークをサポートしているため、低遅延・ラグ無しで超高速通信を可能にしている点も見逃せない。2種類の内蔵マイクもあり、プレイ中に仲間プレイヤーと会話を交わすこともできる。また、microSDカードスロットも搭載されている。

高速ストレージを実装する「AYANEO AIR Plus」▲平成初期のゲーム機が持つカラーをオマージュしたという「クラシックグレー」。

最安モデルは16GB/1TBの132,000円で、16GB/1TBモデルは143,900円、32GB/1TBのモデルは191,400円となっている。メインメモリはグラフィックが利用することもあるため、特にグラフィックメモリに負担がかかるゲームタイトルをプレイする事を考えている人は、32GBモデルを選択すると良いだろう。

2021年にクラウドファンディングによってスタートしたAYANEOブランドのポータブルゲーミングPCは、これまでに様々なモデルが発表されており、その都度ユーザーのフィードバックを生かした製品を生み出している。軽量化とパワフルなプレイ体験を両立した本モデルは、AYANEOの最新系を体験できる製品だ。

3.「ONEXPLAYER2」(販売価格 166,000円〜198,000円)

2023/4/18に発売されたポータブルゲーミングPCで、前モデル「ONEXPLAYER」からプロセッサーをAMDの「Ryzen™ 7 6800U」に変更している点がポイント。これは「AYANEO AIR Plus」「GPD WIN 4」と同じで、Xbox Series X|SやPS5でも採用されているAMDのプロセッサーがいかに優秀なのかが分かる。

ディスプレイは8.4インチのIPS液晶で、解像度は2560×1600。10点マルチタッチと4096段階のスタイラスペンにも対応する画面は画素密度358PPiを誇り、sRGB100%色域も実現。「AYANEO AIR Plus」や「GPD WIN 4」と比較すると大きく高精細なディスプレイとなっており、この点で両モデルを出し抜いている。

ポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER2」▲2.5Kの解像度を持つディスプレイで迫力のプレイ画面を楽しめるモデルだ。

自社開発のアルゴリズムを採用するジョイスティック、純銅製のデュアル・ヒートパイプが実現する効率的な冷却システム、65.5Whを誇る大容量のバッテリー、Wi-Fi 6E対応、6軸ジャイロセンサー、ハーマンブランド認定のオーディオパフォーマンス、調節可能なキックスタンド搭載が製品の大きな特徴だ。

本体から着脱可能なコントローラーが特徴

さらに本モデルではNIntendo Switchと同じ「着脱式コントローラー」を採用。本体からスライドさせて左右のコントローラーを外し、別売のパーツにセットすることで独立したコントローラーを作れる仕組みになっており、画面とコントローラーを切り離した状態で遊べる。利便性に優れた機構が光るモデルだぞ。

「ONEXPLAYER2」の本体画像▲カラーは「スノーホワイト」と「ミッドナイトブラック」の2色展開。

コントローラーを切り離した本体は、別売のキーボードを装着することでUMPCスタイルで利用できるほか、スタイラスペンを用いてタブレットのように使うこともできるため、ゲームをしない場合の使い方にもバリエーションが生まれて面白い。画素密度が高精細なので、映画鑑賞やインターネット閲覧も快適だ。

microSDカードスロットはUSB 4.0規格で、USB2.0と比較して5倍速い読み込みが可能となっている。またHARMAN AudioEFXの熟練したエンジニアによって入念にチューニングされたスピーカーが臨場感抜群のサウンドを生み出し、映像面だけではなく音声面でも満足度の高い製品に仕上がっている。

音声面での完成度が高い「ONEXPLAYER2」▲ 本体には12mm×27mmの高性能スピーカーユニットが搭載されている。

専用アプリケーションの「GAME CENTER」でデバイスの消費電力、GPU周波数、ファンスピード、振動、解像度、輝度を調整することが可能で、セッティングを直感的なインターフェースで変更し、最適な状態を即座に生み出せる点も魅力。長時間プレイにも耐えられるジョイスティックの設計技術もポイントだ。

エルゴノミクスデザインを持つコントローラーの形状も製品の特徴で、筐体背面のハンドルがS字型のカーブになっているため、本体を持つ際に指が自然に伸び、長時間の使用でも手の疲労が少ないという利点も。安定したグリップ感とスムーズな操作性を実現した必見の最新モデルで、あらゆる面で進化を遂げている。

eGPU(外部グラフィックス)の接続にも対応

本体に搭載されたAPUのグラフィック性能も優れているが、別途グラフィックボードを接続する「eGPU」方式にも対応しているため、自作PC派のプレイヤーも注目すべきモデルと言える。本体の拡張性が非常に高く、様々なユーザーの用途に耐えうる設計がなされている製品で、遊び方の幅も大きく広がっていくはずだ。

eGPUに対応する「ONEXPLAYER2」▲外部ディスプレイへの接続や、eGPUの利用など、拡張性は非常に高い。

本体に内蔵されている48whのバッテリーは、PC版の『グランド・セフト・オートV』を60fpsで最大4時間プレイすることが可能で、基本的に画質を低設定〜中設定にしたゲームは約3時間連続動作する見込み。高速充電機能もあり、大型ファンで筐体の冷却しているため、プレイ中安定した温度も実現するぞ。

搭載OSはWindows 11 Home。本体重量は約709グラム(コントローラーは約139グラム)とやや重たいが、ディスプレイサイズとバッテリー容量が大きいため、これはある意味仕方がない部分。6インチ画面では小さくで不安、という人にはおすすめの製品で、確かな満足感を得られるポータブルゲーミングPCだ。

16GB/1TBモデルの販売価格は166,000円で、32GB/1TBモデルは182,000円、32GB/2TBモデルの価格は198,000円となっている。前述の通りグラフィックメモリを大量に消費するゲームをプレイする場合には、メインメモリ容量が大きいモデルを選んでおくと後悔しないはず。良く考えて最適なモデルを選ぼう。

4.「Steam Deck」(販売価格 59,800円〜99,800円)

PCゲームのポータルサイト「Steam」でおなじみのValve Corporationが生み出したポータブルゲーミングPC。現時点で実装しているOSは専用の「Steam OS」であり、今後のアップデートで公式にWindows OSのブートを可能にするとしている。Steamでゲームを多数所有しているユーザーには見逃せない製品だ。

プロセッサーにはAMDとValve Corporationが共同開発したカスタムAPUを実装。次世代ゲーム機Xbox Series X|SやPS5で使われているAPUと同じZen2/RDNA 2のコードネームを持つチップで、AAAタイトルもスムーズに実行できる点が魅力。パワフルな機能を有したPCゲーマー必見の携帯ゲーム機だぞ。

ポータブルゲーミングPC「Steam Deck」▲Steamユーザーから熱い視線を集めているValveのポータブルゲーミングPC。

本体のディスプレイサイズは7インチで、解像度は1280×800ピクセル。画面のアスペクト比は16:10となっている。解像度の面では他社競合製品に劣るが、実際にゲームをプレイする場合には解像度をこの程度まで落とすことが一般的となっているため、ある意味スイートスポットの解像度と言えるかもしれない。

ディスプレイはタッチパネルになっており、画面にキーボードを表示させて指でタイピングを行うことが可能で、さらにBluetoothで別途キーボードを繋げられる。本体重量は約669グラムで、フル充電した場合には2時間から8時間のプレイを楽しめるようになっている。別売のドックで拡張性も生み出せる点も魅力だ。

シームレスなプレイ体験が大きな特徴

本機はクラウドセーブに対応しており、PCでプレイしたゲームの続きをDeckでそのまま遊ぶことができ、その逆も可能。またリモートプレイ機能でホームPCから直接Deckへゲームをストリーミングすることもできるため、利便性は極めて高い。無論Steam Deck本体にゲームをインストールすることもできるぞ。

ライブラリを即座に移行できる「Steam Deck」▲既存のSteamライブラリを同期してすぐに自分のゲームで遊べる。

ストレージの選択肢は64GB、256GB、512GBの3種類で、販売価格はそれぞれ59,800円、79,800円、99,800円。全てのモデルが10万円を切る販売価格になっている点は非常に魅力的で、自宅にゲーミングPCを持っている人でも、サブ機として利用する価値は十分にある。動作対応タイトルもどんどん増えているぞ。

多くのゲームを所有しているヘビーユーザーが一番気になるストレージ拡張については、本体に設けられているmicroSDカードスロットが利用可能。内蔵ストレージを増設する方法には基本的に対応していないので、ストレージサイズに関しては後悔のないように慎重に選ぼう。

5.「ROG Ally」(販売価格 599ドル〜699ドル)

エイプリルフールに公式Twitterアカウントで「チラ見せ」を行い、数々の憶測を呼んでいたASUSのポータブルゲーミングPCが、2023/5/11に正式発表。PCゲーマーから絶大な信頼を得ている「ROG」ブランドの新製品として6/11に発売される予定で、内蔵しているプロセッサーとリフレッシュレートで存在感を放つ。

ROG Allyに搭載されるプロセッサーはAMDの「Z1」で、製造プロセスは4nm、Zen4アーキテクチャと最新の RDNA3グラフィックスの両方を備えており、AMDの技術FSRとアップスケール機能RSRに対応。6コア12スレッドの「Z1」と、8コア16スレッドの「Z1エクストリーム」の2モデルが展開予定だ。

ポータブルゲーミングPC「ROG Ally」▲ついにその存在が明らかになったASUSのポータブルゲーミングPC。

OSはWindows 11を標準搭載。プロセッサーのTDPは9Wから30Wで、ディスプレイは7インチのフルHD(1920×1080)を搭載。10点マルチタッチに対応するディスプレイの最大リフレッシュレートは120Hzで、これは既存のポータブルゲーミングPCには無かった速さ。アクションFPSの描画に期待できそうだ。

メインメモリは16GBで、ストレージは両モデル共にM.2 2230 SSDの512GB。microSDでストレージを拡張するスタイルにも対応し、さらに高速ロードを実現しているので、ゲームの置き場所で悩むことはない。ネットワークはWi-Fi 6Eで、バッテリーは40wh。本体重量は両モデル共通で608グラムに収まっている。

高耐久性と高い輝度を誇るディスプレイが魅力

ディスプレイの最大輝度が500nit(ニト)になっている点も特徴で、一般的なLCDディスプレイが持つ200〜300nitと比較して、屋外でも画面が見やすくなることに繋がる。またディスプレイ部分にiPhoneなどでも実績を持つCorning社のGorilla Glassの最新系「Victus」が採用されている点も魅力だ。

芯材にメッシュを使用したヒートパイプで冷却性能を高めている点も製品の特徴で、流体ベアリング設計の専用ファン2機が強力なエアフローを実現。数々のゲーミングPCパーツ設計で一日の長があるASUSの製品らしい信頼性の高さがセールスポイントで、長時間のセッションでも熱を帯びにくい利点がある。

高リフレッシュレートを誇る「ROG Ally」▲ディスプレイ表面の反射を軽減するコーティング加工で画面が見やすくなっている。

Dolby Atmosを備えるデュアルフロント・ファイアリング・スマートアンプスピーカーは歪みの少ない音場を実現。双方向に機能するAIノイズキャンセリングシステムでチャット時のノイズが取り除かれ、クリアな音声でオンライン協力プレイの世界を楽しめる点も魅力。映像と音声面が高品質な注目モデルだ。

本体上部に集結しているポート部にはUSB 3.2やDisplayPort 1.4、3.5mmオーディオジャックが並び、電源ボタンは指紋認証機能を備えている。最新規格のポートが用意されている点も魅力で、ASUSの新製品であるeGPU「ROG XG Mobile」とも繋げられるため、外付けでRTX 4090の性能も実現できる。

▲十分な拡張性を持つポート周り。高速充電にも対応しており、使い勝手は良さそうだ。

本製品の名前「Ally」は「All Your Games (貴方の全てのゲーム)」から取られており、Steam、Xbox Game Pass、Epic、GOGなどのプラットフォームで展開しているゲームタイトルを1つのライブラリで管理できる。プラットフォームを跨いで素早く任意のゲームを呼び出せる画期的なシステムも特徴だ。

日本国内展開と日本向け価格は未定

気になる販売価格は、2023/6/13発売予定の「Z1 エクストリーム」搭載モデルが699ドルで、2023年第3四半期登場予定の「Z1」モデルが599ドル。最初にハイエンドモデルがお目見えし、その後通常モデルが出てくる流れだ。なお、現時点で日本での販売価格は公表されておらず、国内正式流通も未定となっている。

最新系のプロセッサーと高リフレッシュレートを実現したディスプレイの搭載で世界から注目を集めている「ROG Ally」は、今後のポータブルゲーミングPC開発競争に一石を投じる存在になるだろう。フルHD環境下で50〜60fpsのプレイが可能と謳っているため、業界のブレイクスルーとなる可能性を秘めている。